東京都の私立高校入試では、来月より推薦入試がスタートします。推薦入試の内容が学校によって様々ですが、おおむね内申点、面接、作文、適正検査の4つのうち、2~3つの項目を課して合否を決める学校が多いです。

偏差値60未満の学校の場合は、ほとんど推薦入試出願時点で、内申点によって受験生が絞られており、多くの学校が推薦受験生のほぼ全員が合格ですが、偏差値60以上の学校の多くは、適性検査や面接、作文の出来不出来や、内申点を考慮した加点などを行って、合否が決定されます。
今回は、推薦入試で激戦を争わなくてはいけない高校について情報を提供します。
〇慶應義塾女子高等学校(港区)
例年5倍前後の倍率の推薦入試です。(例年一般入試より倍率が高い)適性検査と作文の結果だけでなく、内申点や面接や活動報告書など細かく審査されて合否が決定されます。あらゆる面で手を抜かず全力で推薦入試に臨み、不合格でも一般入試で頑張ってください!
〇城北高等学校(板橋区)
例年1倍台の倍率であったが、昨年度2倍を超えました。ここの出願基準は内申点5科目20点以上と比較的に緩い基準です。その分、当日の適性検査での点数が大きく合否に影響します。逆に言えば、適性検査に自身のある人(3教科で7割以上取れる)で内申点数の低い城北希望者はねらい目です。
〇日本大学豊山高等学校(文京区)
ここの推薦入試については大きく2種類あります。いわゆる推薦入試では、まず不合格になることがないのですが、特別推薦(学業)では多くの不合格者がでます。細かい倍率は公表していませんが、特別推薦(学業)は推薦基準が低いので、多くの受験生が日本大学の付属への入学を夢見て受験してしまいますが、多くの受験生が結果的には不合格になります。ですからこの特別推薦(学業)で推薦入試を受験する人は、適性検査で高得点を取ること、不合格の場合に再受験する一般入試では、多少の加点しかもらえないことを覚悟で、一般入試の合格点とほぼ同じ点数をとるつもりで勉強して臨むこと、念のためかならず滑り止めの高校を受験しておくことをお勧めします。
〇早稲田大学高等学院(練馬区)
ここの推薦入試は自己推薦入試です。面接や活動報告書や出願者調書において自分の個性と意欲と高校入学後のビジョンをアピールして、高校、大学を通じてどのようなことを成長させ社会に貢献する有為な人材になるかを学校側に理解してもらう必要があります。なお、一部にスポーツや文化活動で中学時代に活躍していた受験生がいます。その方々の入学前のセレクションの有無などについては私のところに情報がありませんので、自己で探ってみてください。ただ、早稲田実業程のガッツリとしたスポーツ推薦のようなものはないようです。
〇青山学院高等部(渋谷区)
ここの推薦入試も例年人気です。特に女子には人気です。合格した人の話からは、適性検査の点数が大きく合否にかかわっているようなので、当日の適性検査で高得点を獲得できるよう頑張ってください。なお、ここの推薦入試は他の学校と日程が重ならない場合が多いので、他校の推薦入試も併願されることをお勧めします。なお、推薦入試の複数受験自体は青山学院側は許容していますが、合格の場合は青山学院に入学することが条件のようです。(中学校が推薦書を複数書いてくれるかは、各学校長の判断ですが・・・)
〇成蹊高校(武蔵野市)
ここの推薦入試の倍率は例年1倍台前半で推移していたのですが、昨年度男女ともに1倍台後半の倍率に上がりました。出願者も大幅に増えました。今年はその反動があるかもしれませんが、適性検査で高得点を獲得しないと合格できない学校であると思います。油断しないで臨んでください。
〇成城学園高等学校(世田谷区)
ここの推薦入試の倍率は例年1倍台で推移していたのですが、昨年度、男女ともに2倍以上に跳ね上がりました。適性検査はありませんので、作文と面接で絞られるとのことです。自己㏚書も選考項目にあるので、十分に成城学園で学びたい自分をアピールしてください。ちなみに著名人のご子息が多い学校です。
〇中央大学高等学校(文京区)
例年3倍以上の倍率で激しい競争が繰り広げられる推薦入試です。基礎学力試験においては、科目ごとに配点や時間が違うこと、内申点が点数化され合否に大きく影響することなどを考慮して、出願基準ぎりぎりの内申点で受験する人は基礎学力試験において高得点を獲得するよう頑張ってください。特に、英語は配点が高いことと、理科と社会も基礎学力試験においては出題されますので、理科と社会の対策もお忘れなく。
〇中央大学杉並高等学校(杉並区)
例年3倍弱の倍率で実施されています。ここの適性検査は5教科です。教科ごとの配点はすべて同じですので、理科と社会の得点はおろそかにできません。バランスよく得点してください。なお、この学校の一般入試では推薦入試不合格者に特典がありますので、不合格でも一般入試で合格も十分あります。最後まであきらめずに。
〇中央大学附属高等学校(小金井市)
ここの推薦入試は出願基準が緩い分だけ倍率は杉並高校より高くなります。しかし、内申点が得点化され合否に大きく影響しますので、内申点の低い受験生はかなりの確率で合格が厳しいと思ってください。ここの推薦入試の特長として作文を重視していることが挙げられます。特に、作文の出来がよいと一発逆転合格があり得ることと、逆に作文が出来が悪すぎると不合格ということもあります。作文力を鍛えて受験に臨んでください。
〇東京農業大学第一高等学校(世田谷区)
2020年度までは推薦入試(推薦A)ではほぼ全員合格でしたが、昨年度より2倍前後の倍率となりました。この学校はここ20年で大きく難化した学校です。併設の中学校の設置や他大学受験体制の整備などが、年々進み、受験生保護者や受験生の学校に対する期待がバブル的に膨らみ大きくなっている学校です。個人的には期待が大きすぎるのでは・・・と思ってしまうくらいです。とにもかくにも適性検査で高得点を取らないと合格できないので頑張ってください。
〇法政大学高等学校(武蔵野市)
ここの推薦入試は、例年3倍程度の倍率で行われています。適性検査で高得点を獲得することが大切です。推薦入試不合格でも、ここの一般入試は内申点が高い人と推薦入試不合格者には加点(最大50点)があります。ですので、推薦不合格者でも一般入試であきらめずに頑張ってください。
〇明治学院高等学校(港区)
ここの推薦入試は、出願した後書類選考が行われ、2次審査に進める受験生が決まります。ですので内申点が低い人は2次審査に進める確率が低いのですが、一般入試の受験の際に推薦入試不合格者には加点(10点程度)あるので、この学校にどうしても入りたい人は内申点ギリギリでも出願する価値があります。特に男子より女子に人気の傾向があるので、推薦入試出願者は必ずしも2次審査に進めるとはかぎらないことを覚悟してください。ちなみに、2次審査は面接です。
〇明治大学付属中野八王子高等学校(八王子市)
ここの推薦入試では適性検査と内申点を得点化した合計で合否がきまります。内申点の低い人(基準ギリギリの人)の合格可能性は極めて低いです。しかしながら、推薦入試不合格者には一般入試で加点(15点程度)ありますので、それをもらうために不合格覚悟で受験する人も多くいます。
〇明治大学付属明治高等学校(調布市)
ここの推薦入試は3倍前後で行われています。学業と課外活動と指定校推薦があります。指定校推薦は近隣の学校に配られているようです。課外活動については、事前に学校に問い合わせしてほうがいいと思われます。推薦入試当日は適性検査がありますので、どちらにせよ勉強を頑張ってください。
こちらの記事の青学部分に、
日程がかぶらない、他の推薦と併願出願すると良いと記載があります。
推薦の併願は可能なのですか?
区立中学の推薦一斉締切日があると思いますが、その際区立の先生が2校出願してくれるのですか?
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