最近の東京都の私立高校の傾向としては、コース別に分かれている高校が多く見受けられます。もちろん、生徒の多様なニーズに応じるためにより個に応じたカリキュラム編成を行った・・・といえば聞こえがいいですが、現代的な学校の姿のなのかもしれません・・・

しかし、学校経営的側面も否めず・・・。また入学してみたら・・・実際と違った・・・などなど、
現実を認識して、特進コースの設けている学校とそうでない学校のどちらが自分にあっているかをよーく考えて入学先を選ぶ必要があるのかもしれません。
すべての学校が当てはまるとは言いませんが、正直言います・・・伝統的に優秀な生徒が黙ってても集まる学校は、このようなコース制は、ほとんど設けられていません。 ある意味東大合格者を、毎年多く出す私立高校は、高校入試でも中学入試でも一般受験のみでガチ勝負で入学者を選抜する学校が多いのも事実です。
生き残りをかけていると思われる私立高校、人気が落ちてきていると思われる私立高校、系列大学のレベルダウンが激しく、系列大学への優先入学という特権だけでは生き残っていけない大学附属高校・・・等の多くがコース制を導入していることが少なくありません。
もちろん、コース制をうまく活用して、自分の進路を実現させたり、偏差値の低い高校に入って、高校で鍛えられて偏差値の高い大学に合格できるのであれば、そういう高校生活を目指す人にとってはお得な高校なのかもしれません・・・。しかし、偏差値40から50代の生徒ばかりを指導していた高校が、カリキュラムを変えただけで、教職員が変わっていないのに果たして変われるのか・・・。学校の1割程度の生徒が優秀でも、9割が普通の生徒なのに、その雰囲気の中で、本当に難関大学合格が勝ち取れるのか・・・。
入学案内のパンフレットには、例えば「このコースの生徒は東大をはじめとする難関大学の合格をめざして・・」とありますが、実際には若干名しか合格していなく・・・半数近くが中堅の私立大学へ進学しているなんて実態もありますが、それはよーーくパンフレットを見ないとわからないようになっています。
業者テストが廃止され、偏差値で推薦基準の作成などができなくなり、内申点も相対評価から絶対評価に変わり、大学入試も少子化により軟化しAO入試や推薦入試の枠を拡大している今日の我が国の進学事情の中で、このようなコース制の学校とそうでない学校のどちらが、果たして自分にとって、我が子にとってよい選択肢なのか見極めることが大切です。
また、高校生自身も、コース制でない高校は、〇〇高校と聞いただけで、どんな高校なのかイメージしやすいのですが、コース制の高校の場合は高校名だけ聞いてもイメージしづらく、仮に「私は〇〇高校だけど、特進コースに通っているから!」と、どや顔で言われても、実際は偏差値60にも満たない入学難易度のコースであったりすることも少なくないのです。
全部の高校ではありませんが、確率的に気をつけたほうがいいのが、難関大を目指す特進コースなのに内申点による推薦入試をやっている高校です。こうした高校の推薦入試受験者の中には、ガチ勝負する高校には合格できないけど(つまり、模擬試験での偏差値は低いけど・・中学校の中間・期末テストや平常点は高い人や業者テストにでる応用問題は解けないけど、中学校でやる基礎基本の問題なら解ける人)、内申点をとるのは得意で、優遇措置を使うことで、普通には落ちてしまう、特進コースにも合格できる人々が多く受験します。そして、そういう高校の一般入試も併願優遇の受験生で大量に受験していて、実質ガチの一般入試をしていません。場合よっては、併願優遇していない人達の合格点をやたらと厳しくして、合格者平均偏差値を引き上げておいて、ガチ勝負中心で優秀な入学者を募っている伝統校と並ぶ学校であるかのごとく演出し、偏差値ランキングに高偏差値の難関高校として記載されようと画策します。そういう高校の特進コースは卒業するとき・・騙された・・と思うことが少なくありません。最悪の場合、難関大目指して特進コース入ったのに・・系列大学に優先入学かよ・・とか、中堅以下の大学の指定校推薦が関の山とか・・・。ええ、だったら〇〇高校に入っていたほうがマシだったよ・・・という人生も十分ありえます。
まあ、受験する側も、うすうすこの怪しさに気付いているのですが、自分自身がガチ勝負する力がなく、内申点で自分自身をよく見せることのできる現状を潜在的に受け止めるしかないので、この手の高校を受験したり、併願したり(結局は内申点を点数化して入試が行われる都立高校の上位校に行く)せざる負えないのです。
マーケティング的に言えば、内申点は高いけど、ガチ勝負する力のないプライドの高い都立上位校や中堅校の進学者という層が、かねてから私立高校の併願先に日東駒専の付属あたりを受験せざる負えない(実際には不合格者もでるので、大東亜帝国の付属やそれ以下の私立を受験していた・・)が、日東駒専の付属・・・大東亜帝国の付属・・・〇〇学園って聞いたこともない学校だよ・・という偏見を私立高校に持っていた都立至上主義層の併願先の受け皿に生き残りの目を付けた私立高校が、この人たちのプライドは難関大学進学を目指したいのだけれど、実力は日東駒専の付属すら合格できるかできないかというような力なので、そこで、〇〇高校特進コースという併願先(すべり止めなので、実際は多くの受験生が進学しない)を設けることで、絶対評価となりバブル状態となった内申点の高い彼らの併願先として、人気を集めることができたという、カラクリがあり、それが定着し、広がりつつあるのという一面も否定できないのです。
だから、私は本当にガチ勝負できる力のある人や、そういう生き方が好きな人は、コース制の高校よりは、ガチ勝負をしている、もしくはコース制のない高校を受験することをお勧めします。
何かを目指すことは素晴らしく、目指さなければ夢は実現できません・・・。でも、努力しなければ夢は実現しません。ガチ勝負を避けて、または下駄を履かせてもらって実現する夢なんて、達成できた時の感動はそこにあるのでしょうか。野球に例えるなら、甲子園に出場するのが夢だからと言って、連盟の推薦で予選抜きで、または加点され優遇されて予選を勝ち抜き甲子園に出場できても、果たしてその時、真の甲子園出場の感動を得られるでしょうか・・・。厳しい練習の成果を相手と競い合いながら、試合で発揮し、予選を正々堂々と突破して甲子園に出場した時にこそ、得られる感動や教育的な効果も大きいと私は思います。推薦入試を否定するつもりはありませんが、自分の志望校が、ガチ勝負の一般入試の学校ならば・・・それ逃げずに頑張ってほしいです。また、そういう受験生を応援する仕組みを維持しなければ・・・と思うのは私だけでしょうか・・。
かつてから習熟度別教育とか3年次になると文系・理系に分かれるときに、特進コースを作ったりとか、昭和の時代からコース別教育は段階的に導入する学校がありました。学校によっては、クラスや座席の配置まで学力試験の結果で決まる学校もありました。(今でもやっているかは不明)それはそれで構いませんが、それがいいのか、いやそれが合わないのか見極めて、騙されずに、自分の志望校を選択してください!