みなさんゴールデンウィークですが、いかがお過ごしですか。適度に息抜きして受験準備をしてくださいね。

さて、今時の高校受験では、大きくは推薦入試と一般入試に分かれていますが、一般入試といっても、その内訳は併願推薦受験者や第一志望受験者などが含まれていて、合格の確約や加点などがあり、これらの制度を利用した受験生があまりにも大勢いるために、本当にただただ受験した得点で合否が決まる普通の受験生をフリー受験とかオープン受験とか呼ぶようになっている学校が多いのが現状です。(このサイトではフリー受験者で統一したいと思います。)
そして、受験生が注意してもらいたいのは、一般入試の倍率が公表されても、果たしてその内訳はどうなっているのか・・・、フリー受験者の倍率(合格率)はどの程度なのかを知らずに、この学校は一般受験の倍率が低倍率だから楽勝だと思って受験すると・・驚くような結果となりかねないのです。限られた受験日を無駄にしてしまうことになってしまいますので、よーーく調べて志望校を選びたいところです。
例えば、目黒区にある芸能人の出身者が多い目黒日本大学高校の2023年度の一般入試(N進学コース)の内訳を見てみると、556名が受験し、121名が合格するという結果でした。一般入試の倍率は約4.6倍ですが、内訳は併願推薦受験者は98名受験し、98名合格、フリー受験者は458名受験し、23名合格です。つまり併願推薦受験者の倍率は1倍(全員合格)ですが、フリー受験者の倍率は約20倍なのです。フリー受験生にとっては大変厳しい結果となりました。
ちなみに合格最低点(2月10日入試)は300点満点中、併願推薦が102点、フリー受験者が256点でした・・・3科13又は5科21の併願基準を見たいしている併願受験者の中には、102点で合格した方がいたのに、その倍の点数をとってもフリー受験者では合格点に足らないことになります。(個人的には中学校内申点での推薦って本当に公平なんでしょうか・・・疑問が残ります・・・昭和の時代のように偏差値が復活したほうがマシなんじゃないかと思わずにはいられませんが)
同じ日大の付属で世田谷区にあるウエンツ瑛士さんの母校日本大学櫻丘高校は、一般入試の受験生は657名で、合格者が435名です。その内訳は単願優遇者(第一志望)が受験者197名中125名合格、併願優遇者が受験者160名中160名合格、フリー受験者が300名中150名合格という結果です。単願の倍率が約1,6倍で併願が1倍(全員合格)、フリーが2倍でした。合格最低点(2月10日入試)は併願優遇者は公表していませんので分かりませんが、単願優遇が199点、フリー受験者が210点でした。11点ほど単願受験生がフリー受験生に対して有利であったとの結果でした。フリー受験生にとっては、目黒日大ほどではないものの、少しだけ厳しい受験結果であったと思われます。ちなみに併願の受験生の合格最低点が公表されていないので、どれだけの差があったのかわからないのが残念です・・・。
一方、豊島区にある甲子園出場経験もある城西大学附属城西高校の普通クラスの一般入試では123名が受験し、118名が合格していますが、内訳は併願推薦者が65名受験し65名合格、倍率は1倍(全員合格)、フリー受験者が58名受験し53名合格という結果です。倍率は約1,1倍でした。なお、合格最低点は300点満点中、併願推薦者が147点、フリー受験者が132点でした。要するに併願推薦の受験生で一番低い点であった方の点数よりも、フリー受験生で合格した方の一番低い点では、15点もフリーの受験生の方が低いというフリー受験生にとって合格しやすい入試となりました。(もちろん併願推薦者で一番低い得点を取った受験生の点数が132点未満であっても合格していた可能性は高いですが・・・)ということで、必ずしも併願推薦者の一般受験での得点がフリー受験者よりも低い学校ばかりではないようです。
大切なのは、一般受験の結果の内訳を知り、フリーで受験する場合には合格しやすさを吟味して、志望校を選ぶことです。もちろんどんなに高倍率であろうと合格最低点を取れば、フリー受験生でも合格者となることは可能ではありますが・・・。