晩秋の候、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は国士館高等学校(世田谷区)と大東文化第一高校(板橋区)について考えてみたいと思います。両校ともかつては硬派な男子高校としてスポーツ界を中心に活躍していた学校です。今でも部活動も活発に行われているそうですが、現在は両校とも共学化され、雰囲気も大幅に変わり、進学校として人気の学校になっています。では、その両校について検討していきましょう。なお、国士館高校は定時制・通信制がありますが、今回は大東文化第一高校との比較をする関係上、全日制についてのみ記載いたします。


【通学】
国士館高校は、東急世田谷線の松陰神社前から歩いて5分程度もしくは小田急線の梅ヶ丘駅から徒歩15分程で到着します。世田谷区のちょうど真ん中あたりの位置にある学校です。大東一高は、都営三田線の西台駅から徒歩10分程度、もしくは東武東上線の東武練馬駅から徒歩20分程度で到着します。両校とも大学のキャンパスの隣にあります。
【入試】
両校とも、一般入試と推薦入試があります。また一部でスポーツ推薦入学も行われているようです。推薦入試の基準は、国士館高校は特進が3科13もしくは5科21、進学が3科10もしくは5科17もしくは9科31です。大東一高は特進が3科14もしくは5科22もしくは9科39、選抜が3科13もしくは5科20もしくは9科34、進学が3科12もしくは5科18もしくは9科32です。一般入試の合格のめやすの偏差値は国士館高校が特別進学コースが55、進学コースが51です。大東一高は特進が60、選抜58、進学51となっています。一般入試は進学コースで比較するとほぼ同レベルですが、推薦基準は大東一高が明らかに高いので、在校生については、若干大東一高生の方が学力が高いと思われます。
【系列中学校】
国士館高校は系列の中学校があります。ただ、1学年40名弱しかいないので、ほとんどは高校からの入学生となります。大東一高には、系列中学校はありません。
【進学】
両校とも卒業生のほとんどが大学に進学します。系列の大学への進学は、国士館高校は約5割、大東一高が約5割です。両校とも特別な進学クラスを設けており、他大学進学にも力を入れており、実績も少しずつ高まっています。なお、国士舘大学は文学部、政経学部、経営学部、法学部、21世紀アジア学部、理工学部、体育学部があり、キャンパスは高校の隣の世田谷キャンパスと町田キャンパス、多摩キャンパスがあります。大東文化大学は、法学部、経済学部、経営学部、社会学部、スポーツ・健康学部、国際関係学部、外国語学部、文学部、環境創造学部のある大学です。キャンパスは高校の隣の板橋キャンパスと埼玉県の東松山市にキャンパスがあります。
【部活動】
国士館高校は、スポーツの強豪として有名です。特に野球部や柔道部、剣道部の活躍は有名です。野球部は甲子園にも出場経験があります。柔道部、剣道部も全国的に有名で、柔道ではオリンピックのメダリストも輩出しています。一方、大東一高もかつてはスポーツで有名な学校でした。特に、ラグビー部は全国優勝経験もあり、大学ラグビーとともに、一時代を作り上げたほどの活躍をしていました。
【所感】
昭和のころのイメージと違い、現在の両校は大学付属の半付属化された男女共学の進学校として教育活動が行われています。現在の保護者世代が平成生まれ中心になってくるにつれて、かつての硬派なイメージは完全にとれ、ますます都会的なおしゃれな半付属校として生まれ変わってくると思われます。個人的にはかつての両校も個性的で存在感のある学校として、大変興味深く見守らせていただいていたのですが、これからはどんなふうに変わっていくのかを楽しみに見守らせていただきたいと思います。まあ、東京の城北部や埼玉県寄りに住んでいる人は大東一高、東京の城南部や神奈川県よりに住んでいる人は国士館高校がいいのではないでしょうか。ただ、系列大学への進学を考えている人は、大東文化大学は文系しかありませんので、ご注意を。