國學院大學の付属高校の推薦入試について紹介します。東京都には2つの高校がありますが、両校とも3割程度しか系列大学へ進学せず、他大学受験に力を入れている高校です。当然、他大学受験に力を入れるわけですから、國學院大學より難易度の高い大学への合格を目指せる力をつけさせたいという方針になります。そのへんの方針が、推薦入試にも如実に反映されています。それが特徴的ですので、情報を収集して、戦略的な受験計画を立てることをお勧めします。

〇國學院高等学校 (渋谷区)
推薦入試の募集が200名です。一般入試(3回に分けて実施)の募集数が400名ですから、約3分の1の生徒を推薦入試で募る入試です。出願基準は3教科の内申点が13点以上かつ5教科の内申点が22点です。基準に満たない場合の加点などの措置はありません。推薦入試当日は、適性検査(3教科)と面接(平成21年1月実施試験は新型コロナ感染拡大防止のため実施せず)があります。推薦入試は、中学校との事前相談はありません。また、合格を確約したものでもありませんので、不合格になる場合があります。例年2割程度が不合格になっているようです。不合格者は、一般入試受験での優遇措置があると高校は発表していますが、具体的な内容は公表されていません。この学校は、伝統的な推薦より一般入試での入学者が多く、上位校や中堅上位校のすべり止めとして、ぶっちゃけすべった子を受け入れ育てる学校でしたし、今でもそれを望んでいるようです。それが、一般入試を複数回行って、なんとか上位校をすべった子を受け入れ育てようとしている姿勢とみることができます。なので、推薦入試の基準は高めに設定されていま。ある意味、一般入試で入学したほうが合格しやすいのでは・・と思うほどです。でも、この学校のように、一般入試を重視する学校は個人的には好きです。なぜなら、公立中学校の内申点は各学校で評価するものであり、評価する観点も考査だけではなく、いわゆる平常点が加味されるからです。つまり学校によって評価が分かれたり、評価者によって変わったりすることが否めないからです。また、内申点を取るよい子が、必ずしも一般入試でよい点を取れる子ということではありません。この学校は、高校卒業後の大学入試のことも視野に入れて、大学入試において一般入試に臨める素養のある生徒をとりたいという気構えなんだと思います。これはこれで正しいと思いますし、不器用で内申点が取れないけど、学力はしっかりついている実力のある生徒にとっては、勇気づけられる存在の高校です。ちなみに、一般入試は偏差値60代前半があれば合格できると思います。
〇國學院大學久我山高等学校 (杉並区)
募集数は50名です。一般入試が95名の募集ですので、約3割を推薦入試で募集するタイプです。出願基準は5教科の内申点が22点以上です。推薦入試は面接のみです。適性検査はありませんが、合格を確約したものではないそうですが、過去3年間に推薦入試で不合格になった受験生はいません。(定員割れしています。)なお、推薦入試で不合格の場合に一般入試を受験するとボーダー付近での優遇が受けられるそうですが、具体的な優遇措置については学校は公表していません。ちなみに以前は、スポーツ推薦の生徒が推薦入試の中に含まれていましたが、現在はスポーツ推薦の生徒は一般入試を受験し、そこで優遇を受けて合格することに変わりました。ですから、一般入試の95名の内、男子の募集内訳は60名ですので、スポーツクラスは例年1クラス分あるので、実際の一般入試の募集数は男子は20名程度ということになります。※この学校は、昭和の後半から平成前半まで、一般入試中心で、一般入試の中にいる第一志望者に加点して、第一志望の高入生を募る入試を東京都私立高校入試の1日目に行っていました。実際に、第一志望の生徒が大勢いましたが、中高一貫教育の実績が評価され、久我山に行くなら中学校から・・という家庭が多くなり、高入生の募集数が限られる今日では、高校からの入学について、学校経営上の補完的な要素を多分に秘めている入試となりつつあります。また、一般入試が、東京都私立高校入試の3日目に変更したということもあり、一般入試では上位校からのすべった子を受け取りたいという気構えなんだと思います。ですから、推薦基準も高めですし、けっして定員割れしても、一般入試で上位校をすべった子とスポーツのできる子を確保できればと言う考えなんだと思います。いずれも、大学入試に耐えられる素養のある子、スポーツの大会で活躍できる素養のある子を取りたい気構えが、入試の制度からも見て取れます。それはそれで、この学校の特色なんだと思いますが・・・偏差値60前半で、”久我山に入りたい”とただただ思う高入生は学校側は必要としていないようです。・・とにもかくにも学校として、必死に経営をされているんだと思います。