完全中高一貫校が増えているが・・・

東京都の私立高校について、完全中高一貫教育化が進んでいます。高校の中には、高校からの募集を停止する学校も増えています。

この背景は、以下の4つが考えられます。

①中高一貫教育のカリキュラムを組み、進学実績で成果を上げたい

大学受験を前提に、中学校1年から高校2年までに必修カリキュラムを終え、高校3年では受験対策を行って成果を出したいので、そのためには中入生のみで教育活動を実施したいと考える学校が増えている。

②中高一貫教育校に高校からの入学者の人気がない

高入生にとって、上位の私立進学校は、上位の国公立校や上位の大学付属校のすべり止めになりやすく、すべり止め校では、辞退者を見込んで合格者を多めに出すので、合格者平均偏差値は高いですが、実際に入学してい来るのは、合格者の下位の受験生であることが多いです。(たとえば合格者の平均偏差値68でも入学者の平均偏差値は62など)つまり、高入生と中入生の学力が折り合わない現象が起きます。

③保護者の価値観が高入生を排除したがる。

現在、私立高校については、助成金の制度が充実したため、経済的に裕福でない家庭も進学することができるようになりました。しかし、私立中学校については、いまだ裕福な家庭が中心です。また、私立中学校に受験する場合は、小学校の中学年には既に進学塾に入塾している児童が多く、その準備期間も含めると保護者の経済的かつ教育観に大きな隔たりを生んでいます。

④生徒同士の価値観の違いが高入生に疎外感を与える。

高入生が半数より少ない私立高校では、高入生が編入生扱いを受けたり、それだけで疎外感を与えるような風土がある学校が少なくありません。学校側も生徒指導等に苦慮している原因にもなっています。中学生の進路選択に、高入生のみの学校への人気が増し、高入生の少ない学校への人気が落ち、それが高入生の合格偏差値にも影響が出る悪循環にもなっています。

でも、一概に中高一貫教育がよいわけではなく、実は、高入生、中入生・・学校の種別ごとにその特徴は違います。下記に学校の種類別のおおむねの傾向をお示ししますので、参考にしてください。

〇ほとんどが系列大学に進学する大学付属高校の場合は・・

ほとんどが系列大学に進学する大学付属校の場合は、のんびりしたムードで学習を行うので、早くに入学したほうが学力が低い傾向があります。つまり高入生>中入生>小入生>幼入生という傾向です。なので、進学校とは違い、高入生の学力不足どころか、高入生が系列大学の人気学部への推薦枠を多く獲得する存在になっています。また、高入生が中入生より少ない付属高校は、同じ系列で高入生の方が多い付属高校より大学への推薦枠が少なかったり、人気学部の推薦枠が少なかったりすることもあります。大学での留年率も同じく、高入生より中入生以前に入学している生徒が多いようです。

〇一部しか系列の大学に進学しない大学付属高校の場合・・・

この場合は、中学入学当初から他大学進学を念頭においている生徒の場合は中入生の方が学力が高い傾向がありますが、中入生でも系列大学に進学を希望していたり、進路については高校2年生になったら決めるという心づもりで、のんびり過ごしていたりすると、中入生の方が高入生のより学力が低いと言われています。つまり目的意識をもって、6年間を計画的に過ごさなければ中入生有利ということではありません。

〇上位大学の合格を狙う進学校の場合・・・

中高一貫カリキュラムを組んでいる学校がほとんどなので、高入生が嫌煙される傾向があり、中入生より、学力が低い高入生が入学してきている傾向があります。また、大学付属校や国公立高校の上位校が第一志望の子のすべり止めに私立の上位進学校が位置付けられることが多いので、合格者平均偏差値は高入生も高いが、実際に入学している生徒は、合格者の下位であるので、実質は中入生>高入生という学力図式になります。

〇一般的な高校(高入生の偏差値55以下の高校)

どちらかといえば、偏差値50以上55未満の学校では、入学当初は高入生の方が学力は高いです。偏差値50以下の高校では、高入生の方が、いわゆる擦れているというか、公立中学校で様々なタイプの生徒の中で揉まれた感があります。中入生の方が擦れてなく、大事に育てられている、のんびりした生徒が多く、見方によっては幼く見えます。学力はある程度経つと、その差は気にならなくなりますが、それより高入生と中入生の育ちの違いなどの溝は大きく、卒業まで埋まらないことも少なくありません。そういう意味では、高校入学偏差値55以下の私立学校においては、中入生の保護者や生徒は中高一貫教育を強く望む傾向がありますが、しかしながら、偏差値上位進学校と違い、偏差値下位中学校では、中入生のみで学校経営をできるほど応募者が集まらないので、中入生のみで学校経営をしていくのは難しく、高入生を大量に入学させなければならない経営実態があると思われます。そして、そういう学校が、高入生を軽視すると、ある学校のように中規模校として経営したいのに、応募が集まらず、望んでいないのに小規模校に成り下がり、経営を圧迫する事態になってしまいます。

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